祖霊たちを送る盆の八月十六日から3日間、出羽の山並みに日が沈むころ、 羽後町西馬音内に寄せ太鼓の囃子が鳴り響きます。
およそ七百年前に始まったとされる西馬音内盆踊り。
櫓の上で奏でられる勇壮な囃子と野趣に満ちた歌声が佳境に入るにつれ、踊りの輪も広がっていきます。 編み笠や彦三頭巾で顔を隠した踊り上手たちが加わり、あでやかな端縫いや藍染めの衣装が篝火に浮かび上がります。
しなやかな手振りと足運びが織り成す魅惑の曲線美。豊かな実りを願い、祖霊たちと一体となり、一心不乱に踊り続けます。 囃子方、踊り手、篝火が繰り広げる夢幻の世界に観客は酔いしれます。