2021.05.20
漆蔵資料館 店長日記

<日本赤十字の創立者 佐野常民 特設コーナー>

こんにちわ。漆蔵資料館です。

漆蔵資料館の2階に<日本赤十字の創立者 佐野常民 特設コーナー>があります。
佐藤養助の稲庭うどんは、明治20年に宮内省御買い上げになっております。そして、明治23年には天皇陛下のお召あがり物としての「宮内省供御(くご)御用干温飩」というこの上もない栄誉を授かりました。

そのきっかけは、佐賀県出身の政治家で当時元老院議長・佐野常民(さのつねたみ、後に日本赤十字社を創設)と佐藤養助の交流でした。養助に依頼によって常民は、明治18年に公爵である岩倉具定(いわくらともさだ、岩倉具視の次男)に稲庭うどん献上の紹介状を書かれ、宮内省御買い上げが実現したのでした。

佐藤養助と佐野常民を結びつけたものは何だったのでしょうか。
それは両者の家系をさかのぼっていくと、平安時代の関東の豪族である藤原秀郷が共通の先祖だったのです。藤原秀郷は平将門を討ったことで功を成して領地を得た武将でした。お互いに共通の祖先を持つことを知った養助は、東京にある佐野常民の屋敷を訪ねて懇談し、意気投合したと伝わります。歴史によって結ばれたこの不思議な縁により、佐藤養助の稲庭うどんは大きな飛躍となり、宮内省からの注文が年々増加しました。

佐野常民の年表、書簡などを展示しておりますので、ぜひご来館ください。